間もなく震災・原発事故から1年半。漸く中間貯蔵施設の設置に向けて国より具体的な設置場所等の提案がなされ具体化に向けて動き始めた様にも見える。(実際にはあまりにやり方がずさんだが)また一方でいま現在も避難生活を強いられている方々の町外コミュニティ(いわゆる「仮の町」)についての議論も始まった。
避難者の本音の一つは「はやく道筋をつけて示して欲しい」と言うことだろう。住民アンケートでは帰還したい人、新天地を求める人、そしてまだ判らない人、それぞれだ。だが、今すべての検討・議論が帰還を前提にしている様に思える。中間貯蔵施設を設置する様なところに戻れるのか?本当に除染ができるのか?仮の町から何年したら元の町に戻れるのか?戻ったら生活が成り立つのか?
いま必要なこと、それは明確な方向性と具体的な選択肢をいま直ぐに示すことではないだろうか。恐らく除染の効果が限られる区域も見込まれる。そうした区域に対しては「帰還出来ない」と言うことをはっきりとさせることで中間貯蔵施設の問題、除染の問題、仮の町の方向性にも一定の方向性が見えてくるのではないか。確かに厳しい判断と決断である。だがこの判断も事故とその処理の責任を負う国の重要な責任だ。しっかりと早急に果たしてもらいたい。県もその問題から目を反らさずしっかりと向き合わなければならない。
アジアの友人と話す機会があった。「日本はいつでも大きな困難を乗り越えてきた歴史があるではないか。今回の問題も克服出来ると信じている。」そうサラッと言った。そうだ日本の叡智を結集して乗り越えなければならない。もう1年半だ、時間がない。