さて話を戻すと、質問の概要が決まると、各部局との事前の打ち合わせが始まります。これが結構大変な作業です。今回は質問前の1週間程度、空き時間はすっかりこの打ち合わせでとられてしまいました。もちろん、こちらが聞きたい事を的確に理解して頂いて、その上で的確な答弁が頂ける様にすることは重要な事です。でも同時に、この事前打ち合わせで、結構なせめぎ合いが展開されます。こちらの立場からすれば質問の主旨とどの様な角度での答弁を求めているかを理解さえして頂ければ十分なのですが、 そこで様々な執行部の意図が見え隠れする様に思えます。ここで重要なのが「質問要旨」と言われるものです。質問者の問いたい事を「質問要旨」と言う質問に置き換えてゆくのですが、執行部はこの「質問要旨」に対して答弁を作成します。ですから質問者が登壇して質問演説のなかでどんな主張をしようと、結局その「質問要旨」で答弁の範囲/方向性は決まってしまいます。
そこで、事前の打ち合わせの中で、質問が複数の部局に関わる質問になると、質問の範囲を狭くして答弁の対象とならない様にしたり、また答弁の範囲を狭くする為に、質問の文言を変えたりと、さまざまなやり取りがあります。結構、質問要旨のちょっとした言葉遣いで答弁の方向性が変わったりするので、本当に神経を使います。逆に打ち合わせ中に、この質問にはまともに答える気はないな、と言うのが伝わってきたりします。(そうなると再質問も2回までなのでツッコミ切れません。)それでも、担当者と何度も打ち合わせると、こちらも最後はある程度妥協してしまったりして、反省することも。私たち(恐らくみなさんも)、県の部局間の問題とか、答弁が前向きか・後ろ向きかなんて関係ないのですが。聞きたい事に本音で答えてもらいたい、ただそれだけの事なのですが、そうも行かないもどかしさを感じます。
本会議での質問と答弁のやり取りより、この事前の「接触」の内容を皆さんに見て頂きたいくらいです。まあ、すべて私の経験不足ゆえ、次回は更に磨きをかけて頑張ります。