本日「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会」、いわゆる「国会事故調」が佐藤雄平福島県知事を参考人として招致し、福島で開催された。事故の大きな混乱の中で一体何が起こったのか、第三者機関を通して、事実を見つめ検証してゆくことは今後の復興に向けた施策を展開してゆくのにも非常に大切であると考えます。
委員会の冒頭で参考人は「命がけで対応してきた」と述べた。この点に関しては誰も疑わないし、実際に事故後の大きな混乱の中で知事をはじめとした福島県の対応は非常に困難を極めたことは想像に易い。そうした中で今回の参考人招致での参考人の発言は事実の検証に向きあわず、当時が如何に大変な状況であったかと言う主旨の説明の答弁に終わる場面が多くあり非常に残念であり、しっかりと率直な評価を述べてほしかった。
例えば、避難指示の場面等で国・県・市町村・住民の情報伝達が問われた場面で委員が耐震の不十分な県庁舎の5階にそもそも防災行政無線等の施設があったことに対する事前の認識について質したのにも、震災後の混乱の中で最善を尽くした旨の説明をするに留まった。
この委員会の目的は決して犯人捜しを意図している訳ではなく、この事故に至るのに事故時の環境や一連のプロセスの中でどの様な対応、判断がなされたのか事実を積み重ね、今後の対策に生かすことであろう。そうした意味からして、いま福島県にとっても必要なことの一つは、ひとつひとつの現実に向き合い反省するべきことはきちんと反省し、今後の施策に生かしてゆくことであろう。これがなければ福島は前に向かう事は出来ない。福島県は現実にきちんと向き合い、しっかりと現実に対処するべきだ。
この事故調査委員会の参考人招致は既にネットで視聴が可能です。興味深いので是非見て頂けると、と思います。映像は2時間の長丁場なので、本来であればポイントになるところの時間等をアドバイスできると良いのですが、お許しください。結構鋭い指摘をする場面もありますが、今回は参考人の時間の制約で延長がなく、十分に掘り下げられていない印象も否めません。
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